2011年4月2日土曜日

圧電素子による発電について思うこと

世の中では熱や騒音、振動など様々なエネルギーが捨てられていますが、発電床などのように運動エネルギーの一種である振動から圧電素子を用いて電力を獲得しようとする技術の研究が行われています。たまたま見かけた下記の記事によれば、電圧は3Vとれるものの電流は1μAと極めて小さな電力しか得られないとの事でした。

「心臓の鼓動」で発電し、iPodや携帯電話を動作させるための技術が登場

振動から電力を得る方法の原理を簡単に言えば、セラミックコンデンサに衝撃を加えて誘電体に圧電効果により、過渡的な電圧パルスを発生させるという事になるので、変換可能なエネルギーはおそらく圧電素子の静電容量との相関があるのでしょう。

また、発生した電圧パルスは様々な周波数成分を含むことから、直接交流電源や直流電源として使用することはほぼ不可能と考えてよいでしょう。

さきの記事で1μAの電流が得られたとありますが、これについてもどのような周波数成分の事なのか葉きりとは書かれていませんでしたが、引用元のデイリーテレグラフの記事のタイトルはApple iPod 'could be charged by the human heart'となっているように、容量の大きなコンデンサや二次電池に蓄えて利用することを前提としてタイトルがつけられています。

もっとも、引用元でもどの周波数成分で何A取り出せるかという事には触れていませんでした。

充電して使うことを前提としている以上、最終的には直流(0Hz)で使用する想定になっているのでしょうが、圧電素子から発生する電力の周波数分布は、おそらく加えられる振動の状況によって変化するはずですので、発生した電力を有効に使うには電力ロスの少ない整流回路が必要になるでしょう。

そこで、ちょっと思いついたアイディアですが、ショットキーダイオードと面実装の大型大容量積層セラミックコンデンサを組み合わせて、コンデンサを実装した基板が周囲の振動を拾うようなものを作ると、案外効率的に電力を得られそうなので、そのうちやってみたいと思います。

何て事を書いていたら、こういうものが見つかりました。

LTC3588-1 - 圧電 環境発電(エナジーハーベスト)電源
まあ、整流器とDC-DCコンバータを内蔵していて、外付けの充電用コンデンサに蓄えた電力を供給する仕組みですので、上記のアイディアを半導体製品化して売り出し中であると言ったところですね。

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