2011年3月20日日曜日

電力事情について

はじめに

巷では原子力発電所の損壊や、節電についての話題が流れておりますが、現在の電力事情や原子力発電所に関して有益な情報へのリンク集を作成したいと思います。

また、用語解説としては電気・電力辞典(東京電力)も有益です。

  • 有志の方々による極めて有益な情報提供
    「東西で電気の周波数が何故違うのか」
    ツイッターのまとめサイトTogetterでまとめられた、関東・東北が電力不足なのに西日本では節電をしなくて良いのか? という疑問に対する答えを分かりやすく丁寧に解説したツイートのまとめです。
    福島原発の放射能を理解する
    原子力発電所の基本から、福島第一原子力発電所で起きている出来事が過去の原子力発電所の事故事例と比較してどのように違うのかということまで、分かりやすく丁寧に解説した、カリフォルニア大学のMonreal氏による講演のスライドを物理学分野の専門家有志の皆さんが翻訳されました。(2011/3/21 一部訂正)
  • 公式情報は以下のリンク先となります
  • 資源エネルギー庁
  • 原子力保安院
  • 電力会社
    電気事業連合会
    電力会社の業界団体です。
    東北電力
    水力・火力・原子力発電と、東北地方と新潟県への電力供給を行っています。原子力発電所に関しては一部施設の損傷や停電の影響があるものの、原子炉は冷温停止状態になっています。
    東京電力
    水力発電・火力発電・原子力発電と、関東地方と山梨県・静岡県東部への電力供給を行っています。地震で損壊した福島第一原子力発電所を運営しています。
    J-POWER 電源開発
    水力発電・火力発電・地熱発電と東日本と西日本の周波数変換所(佐久間)及び本州と北海道の間の電力流通施設を運営しています。
    日本原子力発電
    地震の影響を受けた茨城県東海村に原子力発電所がありますが、事故は起きていません。

周波数変換施設等について

2011/4/1 加筆・修正

西日本と東日本では、電力会社から供給される交流電源の周波数が異なります。これは、発電事業創業当時の事情によるものですが、西日本と東日本の間の電力融通のために周波数を変換するための施設が3ヶ所。

また、津軽海峡を越えて北海道と本州の間の電力融通をするための施設が一箇所あります。

さらに、本州と四国・九州の間でも電力融通を行うための仕組みが整備されています。

また、本州内でも電力会社相互の電力融通の仕組みがあり、電力自由化に向けて平成15年末にまとめられた資料(経済産業省)に、その当時の状況がまとめられています。

西日本と東日本の間で電力をやり取りする設備
西日本は60Hz、東日本は50Hzの交流で電力が分配されています。位相や周波数の異なる交流電源同士を接続すると大事故が起こりますので、相互に電力を融通し合うためには周波数を変える必要があります。そのための施設が、静岡県と長野県に合計3ヶ所あります。
  • 佐久間周波数変換所:容量30万kW(静岡県) J-POWER 電源開発が運営
  • 東清水変換所:容量30万kW(静岡県) 中部電力が運営 ※仮運用
  • 新信濃変換所:容量60万kW(長野県) 東京電力が運営
津軽海峡を越えるための施設
本州以南の電力系統と北海道の電力系統が、津軽海峡越える海底ケーブルで接続されています。海底ケーブルでは直流送電が行われ両岸の変換設備で交流に変換されます。電力を受け取った変換設備では、直流から負荷側の系統の周波数と位相に合わせた交流への変換が行われます。海底ケーブル区間が直流である理由は、ケーブルの本数が少なくて済むことと、ケーブルの静電容量やインダクタンスの影響を回避できることなどであるそうです。<参考:直流送電のメリット・デメリット及び具体例を解説した資料(北大)>
  • 北本連系設備(北海道・青森県):容量60万kW J-POWER 電源開発が運営
本州と四国・九州の間の電力融通設備
以下の系統は交流のまま電力の受け渡しが行われます。
  • 関門連系設備(山口県・福岡県):容量30万kW(本州→九州),278万kW(九州→本州) J-POWER 電源開発が運営
  • 本四連系設備(岡山県・香川県):容量120万kW J-POWER 電源開発が運営
また、紀伊半島と四国を結ぶ電力融通施設もあり、津軽海峡を越える施設と同様に直流送電が行われます。

周波数が違うと何故だめなのか

初期位相が同じである、50Hzと60Hzの波形を同じ時間軸上にプロットすると下記の図のようになり、丸で囲んだ部分では、最大で振幅値の約2倍の電圧の差を生じます。

この状態に限らず、電圧が異なる区間がほとんどを占めますが、そのような場合には、送電線や変圧器・発電機に異常な電流・電圧を生じ、火災などの各種災害の原因になりますので、周波数の異なる交流電源同士を絶対に直接並列接続してはいけないのです。

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